君の隣で夢みた未来
暫くして、また短いメロディーが鳴った。


きっと先輩からだ。


なんて返事が来ているのだろう?


あたしの心臓は五月蝿いくらいに高鳴っていた。



【いいよ!いつにする?明日は?】



短い返事だけど、明日なら何も予定はない。


あたしはすぐに返事を打ち、送信した。


そして、先輩から待ち合わせ場所が送られてきた。


あたしが引っ越す先の近くにある大きな図書館で待ち合わせ。


あたしはすぐに机に向かって数学の問題集を広げる。


口実を作ったからには、すぐに質問できるようにしなくちゃ。


何問か解いてわからないところに印をつけた。



あたしと先輩を繋げるものを作るには、あたしはこんな不器用な方法しかわからない。


本当はもっと上手な方法があるのかもしれないけれど…。


だけど、今はこれが精いっぱい。


でも、前よりは自然になれてるよね?


自然に先輩に近づけてるよね…?



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