君の隣で夢みた未来
寝ぼけ眼でボーっと思い出に浸っていたら、あっという間に時間が過ぎていた。



「やっべ…」



俺は急いでシャワーを浴びて、参考書をカバンに詰めて髪を軽くセットして家を出る。


今日は、あの子と図書館で待ち合わせ。


わからない問題があるから教えてくれって話。


俺も自分の勉強があるけど、教えている合間に自分の事をやればいい。



だけど、なんだかモヤモヤする。


あんな夢を見た所為か?


なんで今更?


2年も前の話なのに…



そんなこと考えてる時間はない。


急いで行かなければ。


この炎天下の中あの子を待たせちゃいけない。



「そうだ…」



俺は花火大会の日に美咲さんから強引に渡されたものがあった。


きっとあの子の為に買ったものだ。


コンビニのビニール袋に入ったままのそれをカバンにねじ込んだ。



そして、俺は家を出た。




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