君の隣で夢みた未来
先輩の隣に居るのはあたしのはずなのに、どうしても美咲さんの存在が頭から離れない。


美咲さんはこの距離で、この表情の先輩を見たことがあるのかな?


それとも、もっと近い距離で見ているのかな?


問題を解き進める先輩を見つめすぎたのだろう。


あたしの視線に気づいたのか、先輩が不意にあたしの方に顔を向けた。



「…?どうした?」



あたしはハッとして慌てて解いたプリントを先輩に見せる。


一つ一つ計算式を確認する先輩。


たまに確かめるように自分のノートの余白に殴り書きをして確認をしていた。



「ここ、もう1回やってごらん」



先輩はそう言ってプリントをあたしの方へと戻した。


どうやら、間違っていたらしい。



< 373 / 496 >

この作品をシェア

pagetop