君の隣で夢みた未来
あたしも、先輩もいつの間にかコーラを飲み干していて、冷え切っていたはずの肌にはじんわりと汗をかいていた。


どのくらいの時間居たかわからないけど、先輩は腕時計を見て「戻ろうか」といつも通りの笑顔で言う。


あたしは少しだけ我が儘を言ってみたくて、小さく眉を歪めて



「えー?」



と言ってみせた。


先輩は少し困った顔をしたけど、あたしが飲み干した缶を先輩は手に取り歩き出す。


ベンチに座ったままのあたしに気付いて、少し遠くから笑顔で手招きをする。


あたしはそれが嬉しくて、少し高いヒールだったけど先輩の隣まで小さく走った。



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