君の隣で夢みた未来
ねぇ、先輩。


忘れられるわけないじゃん。


あたしのファーストキスだったんだよ。


あたし、びっくりしたけど本当は嬉しかったんだよ。


だって、渡り廊下から見てるだけだった人と少しずつ接点が持てて、夏休みもこうして会えて…。


ほんの一瞬だったけど、先輩の温もりを知れて嬉しかったの。



先輩は忘れてしまうの?


あたしは忘れなくちゃいけないの?



あたしの想いとは裏腹に先輩の言葉はあたしに追い打ちをかける。



「なかったことにしよう…」



絞り出すように言う先輩の声は何とかあたしの耳に届いた。



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