君の隣で夢みた未来
それが全ての答えのような気がした。


あたしは先輩に何も言わずに改札口を通り抜けた。


涙が限界だった。



ごめんなんて言わないで…。


誰かと間違えたの?


夢の中で誰と会っていたの?


うわ言みたいに、誰の名前を呼んだの…?



先輩。


『なかったことにしよう』なんて言わないで。


忘れないで。



今日、目の前に居たのはあたしなのに…。


先輩は誰を想っていたの?


先輩のすぐ近くに居たのに、


それなのに先輩の視界にはあたしは存在しないんですか?



ねぇ、先輩。


今日の事を忘れないでください。


あたしは忘れることなんてできません…―。



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