君の隣で夢みた未来
あたしは溢れ出る涙を周りに悟られないように、人があまり来ない先頭車両が来る場所へと向かった。


本気で泣くのは、まだ止めよう。


家に帰ってからにしよう。


先輩と一緒にいて楽しかったはずなのに、


初めてのキスが先輩とで嬉しいはずなのに…


なのに、どうしてだろう?


どうして、こんなに胸が苦しいんだろう。


それはきっと、先輩はあたしを想って唇を重ねたんじゃないから。


別な誰かを想っていたから。


それが、痛いほどわかった。



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