君の隣で夢みた未来
『実子、今、外なの?』


「はい…」


『どこに居るの?』



あたしは今、あたしが居る駅の名前を出した途端に彼女はこう言った。



『圭介は?一緒?』


「…え?」


『圭介と一緒だったんじゃないの?』


「なん…で…?」


『いや、違うなら、ごめんね』


「いえ…」



どうして美咲さんは、あたしと先輩が一緒だと思ったのだろう?


美咲さんの話口調からすると、先輩はあたしと会うことを言っていたのかな?


言ってなかったのかな?



『友達となんかあったの?』


「……」


『実子、まだ電車乗ってないよね?』


「はい…」


『いったん改札出れる?今から、そっち行くわ』



あたしは遠慮することも忘れて、美咲さんの指定する場所へと向かった。


駅への入場料は取られてしまうけれど、一人では居たくなかった。


かといって、今日あったことを美咲さんに話す気分にはなれないのだけれど…。



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