君の隣で夢みた未来
もうじき3時間目が終わろうとしてる頃だと気付いた校長先生が



「良かったら、校内ゆっくり見て頂戴。音楽室は放課後の合唱部の練習で使うだけだから好きなだけピアノ弾きなさい。小花先生も喜ぶと思うわ」



気を使ってくれたのが嬉しかった。


ただの卒業生なのに。


私は『小花先生とはメールで今日来ること伝えました』とは言わずに



「はい、ありがとうございます」



とだけ、にこやかに答えた。


職員室の入り口でペコリと頭を下げ、私はその場を後にした。



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