君の隣で夢みた未来
コンコンと運転席の窓を叩く圭介。


いつもなら、待ちわびた子犬のような笑顔を見せてくれるんだけど、今日は違った。


私は運転席の窓を開けて、圭介の頬に手を伸ばす。



「けーすけ…?」


「つんちゃん…」



圭介は今にも泣きそうな表情で私を見つめる。


どうしてそんな顔してるの?


聞きたいことは山ほどあったけど、今にも崩れ落ちてしまいそうな圭介に私は車に乗るように優しく導いた。



車を走らせたけど、圭介は何も言葉を聞かせてくれなくて、私は少しだけ困惑していた。


こんなにも元気のない彼を見るのは初めてだったから…。



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