君の隣で夢みた未来
煙草を一本吸い終わった後、彼女はすくっと立ち上がり、カフェオレを飲みほし俺の顔を覗き込み言うんだ。



「ドライブしよう!」



俺の大好きないつもの悪戯っ子みたいな笑顔で。


釣られて俺も笑顔になる。


そうすると彼女は俺の頭をくしゃくしゃに撫でまわす。


愛くるしいペットを撫でるように。



「おかえり。いつものけーすけ」



そう言って優しく力強くぎゅっと抱きしめてくれた。


恋人とは違う。


きっと彼女が恋人にするそれとは違うのだろう。


だけど、俺には愛すら感じられた。



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