君の隣で夢みた未来
あたしは部屋で音楽を聞きながら雑誌を読んでいた。


見ているページはメイク特集。


‘大人顔メイクvsドール顔メイク’


そんなタイトルがでかでかと踊っていた。


どっちにも属さないあたしの顔…


どうすればいいのよ。


思わず漏れる大きな溜め息。


きっと美咲さんはどっちにでもいけるんだろうな。


綺麗にメイクした美咲さんも素敵だけど、前みたいなすっぴんの美咲さんもとても綺麗だった。


美人は元が違うんだよね。きっと。


卑屈になりながらページをめくる。


‘可愛いは作れる!’


その文字に、また零れる溜め息。


本当に作れるのかなぁ?


あたしは半信半疑で鏡を取り出し、自分の顔を映してみた。



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