君の隣で夢みた未来
ぐんぐんと自転車を漕ぐ先輩。


行先なんてどこだっていい。


ただ、あたしは一緒がいい。


どうせなら、このまま時間が止まってくれればいいとさえ思う。


そしたら、あたしと先輩だけの時間。


その現実が夢みたいで、いつもと同じ青空がなんだかとても綺麗に見えてしまうから不思議だ。



「ねぇ、先輩。どこ行くの?」



先輩の声が聞きたくて、それだけの為に問いかけてみた。



「目的地なんかないよ!」



無邪気に言う先輩。


いつもよりも、はしゃいでて何だか可愛い。


あたしと居る時間が、楽しいって思っていてくれてるのかな?


そう思うと、鼓動が少しずつ早くなるのを感じる。



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