君の隣で夢みた未来
気付いたら辺りは暗かった。


寝てたみたいだ。


暗闇でチカチカと光っている携帯。


淡い期待を胸に携帯の画面を見た。



【着信 1件】



勢いよく起き上がり何故か姿勢を正し、それを耳に当てた。



数時間前と同じ無機質な音。


だけど、3コールした時に聞こえたんだ。


俺の求めていた声が。



『どうしたの?けーすけ』



その問いかけに、少しドキッとしてしまった。


どうした?と言われても理由がなかったから。


今まで理由があって電話したことなんて殆どなかったから。



「ん?どうもしてないけど」


『ごめんね。電話出られなくて』


「元気?」



俺の問いかけに彼女は向こう側で「ふふふ」と笑っている。



『元気だよ。どうしたの?そんなこと聞くなんて変だよ』


「そう?」


『うん。初めて聞かれたと思う』






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