君の隣で夢みた未来
ギャンブル≪side T≫
電話の向こうの圭介が何か不思議なことを言った気がした。


「え?」


私の頭の中は真っ白だった。



―もし…俺が、つんちゃんのこと好きだって言ったらどうする?



なんでそんなこと言うの?


どうして、圭介がそんなことを言ったか理解が出来なかった。


私と圭介【姉弟】じゃなかったの?



「…何の冗談?」



戸惑いを気付かれたくなくて、少しだけ声のトーンを落としてしまった。



『…だよね』



そう言って、向こう側で笑う圭介。


だけど、言葉の前に小さく息を吐いたのを私は聞き逃さなかった。



『変なこと言ってごめんね』

「…大丈夫だけど」

『俺、一応受験生だし勉強してくるわ!』



圭介が無理矢理明るい声で言う。


なんだか、それが私の胸を締め付けた。




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