君の隣で夢みた未来
「ご新規2名様です！」



店員に促されて着いた席はカウンター席だった。


小さなお店だからなのか、ここが流行っている所為なのかカウンター以外は満席だった。


おしぼりと一緒に出されたお通し。


それがとても色鮮やかで綺麗だった。


小さなサラダと言う感じだった。



「お飲み物はお決まりですか？」


「とりあえず、ビールと…お前、決まってる？」


「私、緑茶割で」



店員が復唱をして、その場から立ち去った。



「なんか、今日雰囲気違うのな」


「そう？」


「学校だとスカート多いじゃん」



翔に言われて初めて気づいた。


確かに、スカートが多いかも。


圭介に急に呼び出されて出掛けるときは、だいたいデニムだったりラフな格好が多いからそれと同じ感覚で着てしまった。



「そういうシンプルな格好も似合うんだな」



何気なく言った言葉だと思うけど、なんだか恥ずかしかった。


どんな言葉を返したらいいかわからなかった。



「お待たせしましたぁ。生ビールと緑茶割です～」



言葉に詰まっていたタイミングで、注文していた飲み物が来て少し救われた気がした。


私たちはグラスを軽くぶつけて「お疲れ～」と言葉を交わす。




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