君の隣で夢みた未来
焼き鳥とサラダとつまみものを少し頼み、何か話そうとしたけど、なかなか言葉が出なかった。


翔はビール、私は緑茶割に口をつけるばかり。


妙な沈黙が続く。


でも、それを壊したのは翔だった。



「この前は…悪かったな」


「この前?」


「夏休みちょっと前の…」



私の圭介への気持ちが恋愛かそうじゃないかの、ちょっとした口論の事か…



「あー、ううん。大丈夫」


「どうよ、あれから」


「あれから…?」



私の耳の奥では圭介の突拍子もない質問がリフレインされる。


その所為か、頬に少しずつ熱が帯びてくるのがわかる。


鼓動も少しだけ早くなった。



「なんか、あったんか?」



翔は煙草に火を点けながら尋ねてきた。


私はグラスに口を付けながら「んーん」と否定の返事をした。



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