君の隣で夢みた未来
「‘別れの曲’でしょ?」



私は大きく溜め息を吐きながら弾き続けた。


私の表情を見て圭介はニヤニヤしていた。


そして、こう言った。



「相変わらず嫌いなんだね。つんちゃんは」



『つんちゃん』と言うのは私のニックネーム。


‘つぐみ’だから‘つんちゃん’


よくそう呼ばれるのだ。


その響きを気に入ったのか私が卒業したら、圭介はたまにそう呼ぶ。



「だって、タイトルが嫌」



その理由を聞いて圭介は笑う。


旋律は綺麗なのに、どうしてこんな悲しいタイトルをつけたのだろう。


これを弾いた後は必ず目に見えない孤独感に支配されるのだ。




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