君の隣で夢みた未来
私はその曲を何回か繰り返し弾き、終盤に差し掛かった時、扉の向こうで女の子の声が響いた。


何かに驚いた…というか「なに言ってんの?」という感じの声色だった。



「誰?」



私は少しドキドキしながらも声がした方に顔を向けた。


そこには女の子が二人。


ネクタイの色から察するに彼女達は恐らく1年生だろう。



「1年生?」



私の問い掛けに彼女達は緊張の面持ちではあったけど、「はい」と答えた。


幾つか質問をしたけど、彼女達は素直に緊張しながらも答えてくれた。


彼女達は合唱部の子らしい。



「じゃあ、後輩ちゃんだね」



思わず私は笑みを溢した。



あ…。


そう言えば、自己紹介してない。


それに気付いた私は、こう続けた。




「卒業生の美咲つぐみです」



そう言った後に「初めまして」と付け足した。



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