君の隣で夢みた未来
意識が飛ぶか飛ばないギリギリのところで終了のチャイムが聞こえた。



―きりーつ、れーい。



日直が号令をかけて、それに合わせてガタガタと音を立てて挨拶をする。


毎時間繰り返す退屈な号令。



「実子ー!購買いこー」



2列隣の友達があたしに声をかけた。


あたしは「いいよ」そう言ってカバンから財布を取り出し彼女について行った。



「また、注意されてたね?最近多くない?」

「…そう?」

「先月だったらありえなかったもんね!」



確かに。


あたしは指摘されて気付いた。


今月の頭に席替えをしてから…


それから、あたしは渡り廊下を眺めるという習慣がついた。




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