君の隣で夢みた未来
簡単な彼女達の自己紹介の後に、私はあることに気付いた。


昼休みに音楽室に来た子達…



「ピアノ使う?」



小柄で華奢な実子ちゃんは首を左右に振った。


実子ちゃんの行動を代弁するように大人っぽいだけど愛らしい顔の花月ちゃんがしっかりとした口調で言った。



「そろそろお昼休みが終わるので…。失礼します」



そう言った後ふたつの頭がぴょこりと下がってパタパタと音を立てて、この部屋を後にした。


1年生か。


まだあどけなくて可愛いなぁ…


私にもあったのかな。


愛らしい時期が。







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