君の隣で夢みた未来
圭介と出会ったのも、アイツが1年生の時だった。


きっかけは保健室。


私が理由をつけてサボっていた場所。


当時の私には休憩所みたいなものだった。


3年の私は少し荒れていた。


進路も3年なのに決まっていなかった。


不安定だった。


将来が不安だった。


どうすればいいんだろう?


その小さな不安を保健室で吐き出していた。



そんな時、体育で怪我をした1年生の圭介がクラスの子に肩を借りながら入ってきた。


保健室で先生に手当てをされてる時に、私が思わず声をかけてしまったのだ。



「…痛そうだね」


「はぁ…まぁ、痛いっす」



そっけない、他愛もない会話。


それが始まりだった。



< 51 / 496 >

この作品をシェア

pagetop