君の隣で夢みた未来
君が居ない教室≪side K≫
空が夏になろうとしている。


日差しは強いけれど、時折吹く風はそよそよと気持ちがいい。


昼休み直前の3時間目。


俺は渡り廊下で‘自主休講’をしていた。


簡単に言うとサボりだ。



「ふぅー…」



俺は体中の空気を出すかのように息を吐いた。


学校はそんなに好きじゃないけど、この場所…この渡り廊下は俺の絶好の癒しスポットだ。


丁度2年前の今頃、仲良くしてくれた先輩が教えてくれたんだ。


教えてくれたというか、その先輩がサボってるところを1年の俺が見つけて、譲り受けたとでも言うべきか。


その先輩が居なかったら、俺はこんな所でサボることにはならなかっただろう。



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