君の隣で夢みた未来
昇降口を出て、駐車場へと向かった。


そこには車は2台程停めてあった。


恐らく美咲さんの車はあれだろう。


だって、人の影が二つあったから。



一つは美咲さん。


もう一つは…誰だろう?


まだ確認できる距離ではなかった。


少しずつ近付いていって、あたしの緊張も最高潮だった。


怖い先輩だったらどうしよう。


あたしの無愛想加減で気を悪くさせたらどうしよう。


そんな不安があたしの胸に大きく渦巻いた。



その時、


花月の足が止まった。



「どうしたの?」


「実子…先輩だ」


「え?なに?」


「安西先輩…。安西圭介先輩」



え?


視線を再び車の方へ向けた。


車に寄りかかり楽しそうに話している二人。


それは、確かに美咲さんと渡り廊下のあの人だった。



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