君の隣で夢みた未来
ホームに電車がやってきた。


生ぬるい風が肌にまとわりつく。


あたしと花月は電車に乗り込み、ドア側に二人で立つ。


知らない間に話題は変わっていた。


今日のムカついた先生の話とか、なんでもない他愛ない話。


高校1年の夏になろうとしている時。


なんでもない事で笑ったり、泣いたり出来てしまう。


小さなことで躓いたり、立ち直ったり。


そんな微妙な年頃だったりする。


だからなのかな?


柔らかく包み込んでくれそうな美咲さんみたいな人に憧れてしまうのかもしれない。


あんな人になりたいな。


あたしが先輩になった時、あんな風な空気を出したい。


あんな繊細なピアノを奏でてみたい。



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