聖女に求婚!?~天使vs悪魔~
「おいっ!!そんなとこで突っ立ってると、通報されんぞ」
「へっ?あっ……はい…」
俺がマンションのエントランスへ歩き出すと、慌てて駆け寄って来た。
玄関に足を踏み入れた彼女に…
「好きなところに座れ」
女を部屋の中へと軽く背中を押した。
「お、お邪魔…します…」
女がリビングの方へ歩き出したのを見ながら…
俺は玄関の扉を締め、魔力で鍵を掛けた。
女はぎこちなくソファに座り、俺を監視するかのように見ている。
フッ…。
せいぜい警戒するがいいさ…。
ここはもう…俺のテリトリーの中。
アイツがここへやって来ることは無いし、
俺の力がムダに失われる事も無い。
………ここは魔の結界の中。
さて、どうやって…アレを使おうか?
俺は指をパチンと鳴らし、冷蔵庫から作ったと見せかけた料理を取り出す。
女が部屋の中の物に興味を示し始めた。
それを機に俺は料理を温め、テーブルの上に並べはじめる。