聖女に求婚!?~天使vs悪魔~
8 陥穽
【Side 莉胡】
リハビリ棟での事件の翌日。
昨夜は結局、周防先生の家に泊まってしまった。
私がわが身に降りかかった出来事に不安を抱き、怯えていたら…
周防先生は一晩中優しく抱きしめてくれていた。
私はそれがとても心地よくて、
いつの間にか深い眠りについていた。
昨日、あんな事があったというのに、木戸先生は姿も見せず…
私と周防先生はいつもと変わらず、仕事をしていた。
もうすぐ、勤務時間も終わろうとしている。
フゥ~、良かったぁ。とりあえず、何も無くて…。
翌朝の準備をしていると、
「羽生さん、総看護師長がお呼びよ」
「え?総看護師長が?」
「えぇ。この間の試験結果じゃない?」
「あっ……そうかもしれませんね」
「ここは、私がするから行って来なさい」
「ですが、もうすぐ勤務時間も終わりますし…」
「師長を待たせたらダメよ?」
「………はい。では、お言葉に甘えて…」
「えぇ、そうしなさい」
私は主任に会釈して…医局へ。