聖女に求婚!?~天使vs悪魔~
「だから、この俺様が……穢してやるのさ」
鋭く、冷たい瞳は嘲笑うかのように。
恐ろしい程の笑みを浮かべて…。
一瞬で血の気が引き、総毛立つ。
心臓が異常なほど早く鼓動し、
無意識に顎が躍り出す。
カチカチと歯が当たり、その音が部屋中に鳴り響く。
彼が顔のすぐ横に片手をついた。
緊迫した空気が流れる。
背筋がゾワッとした瞬間―――!!
「フッ。いい表情だ。そそられる」
「!!!??」
私の髪をほんの少し口に含んだ。
この人………どうかしてる!!
やっぱり……悪魔なんだ!!
私が穢れてしまえば“聖女”でなくなる。
別に悪魔の妃にならなくても、
天使の妃にならなければ良いってワケ?
彼の顔が徐々に近づいて来る。
息が掛かるほどに……。