聖女に求婚!?~天使vs悪魔~
「余計な変身なんぞ、してられねぇんだよ」
「………」
―――――――ダメだ。もう……。
私に出来ることは何もない。
身動き1つ出来ない私が、
この2重に張られた結界の中で、
この目の前の悪魔から逃れ、
ここから脱出するには無理がある。
生まれて初めて……
“絶望”という言葉を噛みしめた。
たとえ身体が動けたとしても、
目の前の悪魔から逃れる事が出来るのであろうか?
私は“聖女”であっても所詮、人間。
魔法も超能力も何も持たない…
空気のような存在。
本当にどうしたらいいの?
瞳から涙が零れ落ち…
私はそっと瞳を閉じた。
『ごめんなさい。周防先生』
『ごめんなさ……レイシールド様』
心の中でそう……唱えて。