聖女に求婚!?~天使vs悪魔~


「余計な変身なんぞ、してられねぇんだよ」


「………」


―――――――ダメだ。もう……。


私に出来ることは何もない。


身動き1つ出来ない私が、


この2重に張られた結界の中で、


この目の前の悪魔から逃れ、


ここから脱出するには無理がある。


生まれて初めて……


“絶望”という言葉を噛みしめた。


たとえ身体が動けたとしても、


目の前の悪魔から逃れる事が出来るのであろうか?


私は“聖女”であっても所詮、人間。


魔法も超能力も何も持たない…


空気のような存在。


本当にどうしたらいいの?


瞳から涙が零れ落ち…


私はそっと瞳を閉じた。


『ごめんなさい。周防先生』


『ごめんなさ……レイシールド様』


心の中でそう……唱えて。


< 153 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop