聖女に求婚!?~天使vs悪魔~
こんなことを毎日していたら、
聖女の心を射止めるどころか…
何のために人間界へ来たのか分からない。
「先生、次の患者さんお呼びしますね?」
「はい」
莉胡は廊下で診察待ちをしている患者を呼びに…。
フゥ~。次の患者で25人目だ…。
少し頭がクラクラするなぁ。
思わずこめかみに手を当てる。
患者(女児)とその母親、そして莉胡が診察室に入って来た。
「先生、大丈夫ですか?」
「あぁ…大丈夫だ。こんにちは、今日はどうしたかな?」
俺は女の子に笑顔で訊ねる。
「はい……娘が昨日から咳をするようになって…」
「咳ですね?……他には?…お腹の調子はどうですか?」
母親が症状を答え、それに俺も聞き返す。
「熱は?」
「熱は今のところないですねぇ…。お腹も痛いとは言って無いです」
「そうですか…では、診せてくれるかな?」
俺は緊張している女の子に優しく微笑んで…
聴診器を女の子の胸に当てる。