キミの前に夕焼け
会えない日が続いた。
颯くんとは毎日おやすみメッセージをしたけど、颯くんの練習が終わるのが7時頃らしい。
だから、忙しくて電話はできない。
《おやすみ。 明日も頑張ってね(●´ω`●)》
《おやすみ。桜華もな!》
このたった2通のやり取りしかできない日が、一週間続いた。
あたしも体育祭の練習で忙しいけど……。
「会いたい……」
せめて声が聞きたい。
…ううん、やっぱりギュッてしてほしい。
「…か……桜華!」
桃に呼ばれ、ハッと我に返る。
そういえば部活中だった事に、手に持った泡立て器とボウルを見て思い出す。