キミの前に夕焼け



会えない日が続いた。



颯くんとは毎日おやすみメッセージをしたけど、颯くんの練習が終わるのが7時頃らしい。



だから、忙しくて電話はできない。




《おやすみ。 明日も頑張ってね(●´ω`●)》


《おやすみ。桜華もな!》




このたった2通のやり取りしかできない日が、一週間続いた。



あたしも体育祭の練習で忙しいけど……。




「会いたい……」




せめて声が聞きたい。



…ううん、やっぱりギュッてしてほしい。




「…か……桜華!」




桃に呼ばれ、ハッと我に返る。




そういえば部活中だった事に、手に持った泡立て器とボウルを見て思い出す。





< 127 / 298 >

この作品をシェア

pagetop