キミの前に夕焼け
寂しくて
「っ、できたー!」
放課後の家庭科室、焼きたてのクッキーを前に叫んだ。
特別うまくできた訳じゃないけど、あたしにしてはとってもうまくできた…はず。
「ごめんね、桃。付き合わせちゃって……」
「全然平気!1人で行ける?」
「うん、ありがとう!」
部活終了後、桃に付き合ってもらって居残りでクッキーを作った。
「頑張ってね~、バイバイ!」
「バイバイ!」
家庭科室を出て行った桃を見送って、バッグの中からピンクのストライプの封筒を取り出す。
何回も何回も書き直した、颯くんへの手紙。