キミの前に夕焼け



「アレ?第2中の制服だ」

思ったより早く練習が終わったのか、3人の男の子が校門を出てきた。




第2中の制服……、あたしのことかな。


周りを見てみても、第2中の制服を着ているのはあたしだけで。




「第2って……あ、綾崎の彼女の中学じゃん!」




3人の間で進められていく会話。



「そういえば綾崎って彼女できたんだったな」


「何だっけ……あ、“オウカちゃん”!」





3人はあたしが颯くんの彼女の桜華だって事に気付いていないらしく。




「え、もしかしてこの子が“オウカちゃん”だったりして?」



その通りです…、とは言えず俯く。




「や、違うだろ!綾崎はもっと元気系と付き合いそうじゃん、この子大人しそうだし」




好き勝手言われてるし、結構傷付くんだけど何も言えない。




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