キミの前に夕焼け
「颯く……」
3人の男の子達を鋭く睨みつける颯くんに、呼び掛けた名前の語尾が小さくなる。
「あ、れ……、マジで“オウカちゃん”だった?」
「てか、綾崎怒って……」
慌てる3人と、未だ状況を理解できないあたし。
そして3人を睨みつける目を逸らさない颯くん。
今、あたしは颯くんの腕の中で。
今は丁度リレーの練習が終わったらしいところで。
校門には下校しようとする生徒がたくさんいて。
冷静に考えるとあたし達は周りからかなり注目を浴びている。