キミの前に夕焼け
しばらくの間、その言葉の意味が理解できない。
そして耳まで真っ赤な綾崎くんを見て、やっと反応した。
「えっ!?」
横では桃が面白そうにニヤニヤしながらこっちを見ている。
目の前にはユニフォーム姿の綾崎くんが、赤い顔を隠すようしてに立っている。
世界にあたし達しかいないような感覚になって、うるさいはずの蝉の鳴き声すらよく聞こえない。
顔がカァァッと熱くなっていくのがわかる。
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