キミの前に夕焼け
少し歩くと、すぐに見えてくる颯くんの中学校。
運動会お決まりの音楽と、はしゃいだような声が聞こえてくる。
真っ青な空の下、各国の国旗が飾られている。
「どう?颯くん、いる?」
「んー…。わかんない…」
同じジャージの人がたくさんいて、なかなか颯くん達を見つけられない。
「あ、開会式始まるみたいだよ!」
桃に言われて朝礼台の方に目を向ければ、台の上で生徒会長らしき人が始めの言葉を言っている。
「あ、あのテントにいるのって水樹くんじゃない!?」
テントで放送器具の操作をしているのは、確かに水樹くん。
「そういえば放送委員だって言ってたっけね?」