キミの前に夕焼け



盛り上がる中80メートル走も終わり、次の競技。







『次は、2年生による障害物競争です』



水樹くんは競技に出るため、違う人が放送をかけている。



そして入場門から走ってくる2年生の中に、颯くんを見つけた。




あぁ、もう、何してもカッコイイ。



走ってる姿は特にカッコイイ。





パンッ



先生のピストルの音で、一斉に走り出したみんな。




「いけーっ、抜かせぇぇえ」



「赤組ー!」


「青いけーっ」





応援が飛び交う中、一際大きな声援を受けているのは、たすきを受け取って走り出した颯くん。




「キャーッ!!颯くんっ」


「綾崎先輩、大好きです!」



「速っ!」





ハードルを軽々と越え、ネットをくぐり抜け、テニスラケットにサッカーボールを乗せて落とさずにサラッと走る。



そんな颯くんは、確かにカッコ良かった。



< 161 / 298 >

この作品をシェア

pagetop