キミの前に夕焼け
「あ、名前聞いてなかった。教えてもらえますか?」
「天野桜華…2年です」
「あ、俺も2年!なんか敬語で喋ってたな、タメでいい?」
「うん!」
敬語よりも近くに感じて、嬉しくなる。
「桜華、って呼んでいい?俺のことは颯って呼んで」
「うん!颯、くん…」
名前呼びなんて慣れてなくて、語尾が小さくなる。
颯くん、は“くん”なんか付けなくていいのにって笑うけど…
そんなのは恥ずかしくて無理だった。