キミの前に夕焼け



クリスマスか……。



歴史の授業を聞きながら、さっきの雑誌の文字を思い返す。



颯くん、何か予定あるかな?
デートできたりするかな?


あ、でも、七瀬とかも一緒に皆でパーティーとかも楽しそうだな。




そんな妄想をしながら窓の外を見る。


窓際1番後ろの席の、特権。



真っ青な冬の空を見て、この色、颯くんの好きな色だ。

なんて思った。




クリスマスプレゼントはどうしよう?


中学生だから、そんなに高いものは買えない。



とりあえず、桃にケーキの作り方でも教わろう。


でも、ケーキだけじゃ……なんか…。



うぅーん……。



そんなあたしの考え事は、



「気を付けー、礼ー」



という日直の声で終わりを告げた。





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