キミの前に夕焼け


その後、やっぱりみんなに質問攻めに合いながらもうまく脱出して部活に行った。


そして今日も焦げたクッキーを焼いて……。



お菓子の甘い匂いのする調理室を出た。




「明日はゼリー作るんだって」

「ゼリーかぁ…」




桃と話しながら校門へ行くと、なぜか人だかりが。




「え、何コレ」

「何かあったのかな?」



吹部とか、テニス部とか、いろんな部活の人がいる。



しかも女子率が高い。




「ねえ、何かあったの?」


近くにいた同じクラスの子に聞いてみる。




「あ、なんかね、すっっごいイケメンがいるの!」




“誰か待ってるのかな?うらやましい!”と続けた。




そして人だかりの隙間から見えた、イケメン。



「あっ」



彼が目に映った瞬間、頬が熱くなる。




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