キミの前に夕焼け


「…で、何するの?」



レンレンがジュースを持ってきてくれて、全員が広すぎる部屋の床に座ったところで、七瀬が口を開いた。



「うーん…」
「どうしよっか?」




窓から見える外は、あいにくの雨。



本当は今日はどこかに遊びに行く約束をしていたところを、雨のせいでレンレンの家になった。




「お菓子パーティーでもする?」



レンレンがニコッと笑って、続けた。



「せっかく料理部が2人もいるんだし、手作りで」



え。
ちょっと待った!

確かに桃はプロ級にうまいけど。

あたしはド下手なのに!

…なんて、あたしの心の叫びは届かず。




「いいな、それ」
「超楽しそう!」
「あたしケーキ食べたい~」
「俺クレープ!」




進んでいく話に絶望した。

あたし、絶対作れないよ…。




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