キミの前に夕焼け
「そんな事しなくていい。
変わらなくていい…」
「でも…」
傘を握る手にギュッと力をこめる。
「茶髪は地毛なんでしょ?
不良なんかじゃないでしょ?
颯くんは、何も悪いことしてないでしょ?
…颯くんが謝る必要も、変わる必要もないよ」
「…でも…」
世界が、違う人かもしれない。
周りから見たら、釣り合ってないかもしれない。
でもあたし達が見てるのは、同じ世界でしょ?
あたしは、颯くんが好きで。
颯くんも、あたしが好きで。
そんなの誰にも、邪魔なんかできないでしょ…。
「変わらないで…
先生は颯くんを知らないからあんな事言えただけだよ。
颯くんの良いところ知ってる人には、絶対悪口なんか言わせないから!」