キミの前に夕焼け

素敵でしょ?







「桜華ちゃん、聞いた!?」


いつも通りの朝。


クラスメイトの女の子が、興奮した様子であたしの所に走ってきた。





「え、何が?」



「来週の土曜日、第1中のバスケ部が練習試合しに来るんだって!!」




第1中……バスケ部?

って、颯くん達の!?



「そうなの?!」


「ホントホント!
桜華ちゃんの彼氏も来るんじゃないかな!?」




そうなんだ…来るんだ、颯くんが!



「あは、桜華ちゃん顔真っ赤」


「え……っ…」




確かに熱い頬に手をあてる。



「超カワイイ!」

「か、可愛くはない……絶対…」





来週の土曜日は確かあたしも部活があったはず。


学校で颯くんに会えるのはすごく嬉しいけど、1つだけ気がかり。




颯くんの事について注意してきた先生は、うちの学校のバスケ部顧問だ。



気付くよね、颯くんだって…。





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