キミの前に夕焼け
観覧車。
今まで読んだ少女漫画の、見たドラマの、数々のシーンを思い出す。
頂上でキス、なんて、欲張りすぎかな。
……キス、するのかな。
なんて考えている自分が恥ずかしくて、慌てて窓の外に目をそらす。
綺麗な夜景。
キラキラ、キラキラ。
キミに出会ってから、世界はずっと輝いてる。
「…あの、さ」
少し気まずそうに声をかけてくる颯くんに、どうしたのかと首をかしげる。
「……隣、座ってもいい?」
「へ…?」