キミの前に夕焼け




「七瀬とかは?」




ふと思い付いたのは、女バスの友達の七瀬。

ショートボブの茶髪がよく似合う、元気な子だ。



そしてレンレンと仲がいい。





「え……何で七瀬?」



「いや、レンレンって七瀬のこと好きなのかなって若干思ってたから……」




ないない〜、なんていつもみたく軽くかわされると思ってたのに。

思った以上に真剣なレンレンに、こっちが驚いてしまう。



「うん、俺もちょっと思ってた。

レンレンって誰でも口説こうとするけど、七瀬だけはそういう対象に入れてない気がするっていうか。


逆に好きなのかなー、みたいな」





爽やかで優しい笑顔で核心をつくのは、水樹の得意技だ。

レンレンが、うっ、と言葉に詰まっている。




「……まじかー、そう見える?」



はぁ、と髪をくしゃりとかき上げるレンレン。



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