キミの前に夕焼け



「水樹は好きな人、いんの?」




話題をそらすようにレンレンに話を振られた水樹は、少し考えてから。



「いないよ、そんなの」




いつもみたいな笑顔で、そう言った。



「水樹の彼女になる人とか、想像つかねえなぁ」


「まあ、とりあえずきっとすげえ可愛いよな」




「……俺は、恋愛より友情の方が大事だから」




ぽつりと呟いた水樹の言葉に、少し引っかかったけれど。



3人で話していたら、あっという間に日が暮れていて。





「悪い、先帰るわ」



こんな話をしていたら、無性に桜華に会いたくなった。




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