キミの前に夕焼け
「ご飯食べて帰る?」
「うん!そうしよう!」
ワイワイ騒ぎながらいつものファミレスに向かう。
颯くんは、この前電話してから元気になったのか心配していたけど、ちゃんと元の元気を取り戻しているみたいで安心した。
「桜華、どうかした?」
「え?」
「なんか元気なくない?」
颯くん、鋭い……。
だけどこんなこと、颯くんには1番言えない。
「何でもないよ、ちょっとお腹空いちゃっただけ」
サラリと嘘をつけてしまった自分に、罪悪感。
そして前を歩く水樹くんの背中に、胸がぎゅっと締め付けた。