キミの前に夕焼け



「すごいね、レンレン…」


「はは、まあモテるからね俺」





そうしている間にもあっという間に女の子たちに囲まれてしまうレンレンに、みんなと顔を見合わせる。




「桜華」

「颯くん」



いつも会う時はジャージ姿が多いから、学ランの颯くんはなんだか新鮮だ。




「俺らも3年生なんだなぁ…」

「ね、実感わかない…」




レンレンは高校生になって、あたしたちは3年生になって。


……あたしたちの関係も変わってしまうのかなって、少し不安だったりして。



高校生なんて忙しいだろうし、しかもバスケ部に入ったらもっと忙しい。


レンレンは高校生になってもあたしたちと遊んでくれるんだろうか。



そしてあたしたちも、受験生。


……みんなと会える時間は、どうしたって少なくなるよね。



そう思うと、綺麗な満開の桜ですら胸を締め付ける。






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