キミの前に夕焼け
「ボタンなくなるの早いんだけど…」
ふとレンレンの方を見ると、七瀬ちゃんと喋っている。
あのふたりは何だかんだ、ものすごく仲がいいと思う。
レンレンが珍しく意地悪をいうのは七瀬ちゃんだけだし、七瀬ちゃんもレンレンのことはきっと大好きだ。
「何だよ、お前もボタン欲しいの?」
「……どうせもうないじゃん」
少し拗ねたような七瀬ちゃんに、ふっ、と笑ったレンレンは、学ランを脱いで七瀬ちゃんの頭にバサッとかけた。
「これで我慢してよ」
「え……」