キミの前に夕焼け



驚いて振り返った颯くんから、反射的に目を逸らす。



「え、泣いてる…?」


「な、泣いてない!」



慌ててバレバレの嘘をついた。



「泣いてんじゃん!」




悪い、ちょっと待ってて、
そう言って可愛い女の子のもとから離れ、あたしの腕を引く颯くん。



「え、ちょっと颯!?」



「颯くん!」



腕を引かれ連れてこられたのは、人気のない路地裏。




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